神戸市内の鉄道路線 考察

 

実在系架空鉄道には、現状の鉄道路線に干渉させるか、させないかという問題があります。瀬戸急は、路線図を見ればわかるとおりですが、山陽電鉄の明石~姫路・網干間やJR赤穂線を組み込んでいます。

つまり、方針としては既存路線を組み込む形をとっています。

 

ここで、瀬戸急が既存路線の組み込みによって、現状の路線図が大きく変わる都市があります。それは、神戸市です。

 

 

現在、神戸市内には、阪神、阪急、山陽、神鉄、神戸高速鉄道、神戸市営西神・山手線、同海岸線のの私鉄・地下鉄路線が走っています。

また、六甲山南側の神戸市内は、海と山に囲まれ、狭い範囲に鉄道がひしめく状態となっています。特に東西方向で顕著であり、北から市営山手線、神戸高速、JR、神戸市営海岸線と4路線(神戸~三宮間は5路線)が並行しています。

 

 

現状の神戸市内鉄道路線図
現状の神戸市内鉄道路線図

 

 

そのため、瀬戸急では三宮~長田間の大部分で、神戸市営西神・山手線の路線をトレースしています。そうなったときに、いくつかの問題が発生します。

 

 

架空の神戸市内鉄道路線図(仮)
架空の神戸市内鉄道路線図(仮)

 

1) 神戸高速鉄道東西線

   神戸高速鉄道は、神戸市の各私鉄ターミナルが離れており不便であり、かつ

   神戸市電の代替としてこれらを結ぶ役割として計画。

   史実では、三宮(阪急)、元町(阪神)、兵庫(山陽)、湊川(神鉄)。

   しかし、瀬戸急が存在する場合、神鉄は湊川で、史実上の山陽は板宿・長田で、

   阪神、阪急は三宮で、瀬戸急と接続することができます。

   つまり、神戸高速鉄道の誕生理由が神戸市電の代替のみになります。

 

   また、後述しますが、山陽明石~兵庫区間は戦後は阪神路線に組み込まれている

   設定としています。この場合、神戸高速鉄道ができることにより、阪神の利益が大き

   いため、阪急が神戸高速鉄道に出資する理由もなくなるものと思われます。

 

   そのため、この世界では、神戸高速鉄道が私鉄各線出資の第3セクターとしては

   存在しないのではと考えます。

 

   しかし、阪神は神戸市内の東西で路線が分離している状態なので、東西路線の

   直結を計画すると思います。また、阪急も神戸一の繁華街である三宮に到達して

   いるものの、阪神が神戸市内横断路線を保持した場合、何らかの形で西側へ

   到達させたいと考える可能性があります。

 

 

2) 神戸高速鉄道南北線

   当路線は、神鉄線湊川から延長する形で、東西線新開地に到達します。

   先述の通り、神戸高速鉄道ができなければ、当路線も必然的に存在しないことに

   なります。

 

   ただ、神戸高速鉄道計画時、この路線は新開地には向かわず、国鉄神戸駅に

   直接向かい、さらにはそこから国鉄に乗り入れ、三宮方面に直通することも検討

   されていたとのこと。

 

   この世界では、神鉄独自に神戸延伸を計画したとしてもいいかもしれません。

   その場合には、当時の神鉄の財政状況、求心地の魅力が神戸駅周辺に

   存在したかを検討する必要がありそうです。

    (※現在は湊川貨物駅・川崎製鉄・川崎重工跡地の再開発として、駅前に

      神戸ハーバーランドがあるため、魅力はあると言えると思います。

      1985年計画、92年街びらきです。)

 

 

3) 山陽電鉄(明石~西代or兵庫)

   この路線は、兵庫電気軌道由来であり、戦中統合政策により、瀬戸急・阪神の

   合併に飲み込まれたとし、戦後は阪神に残ったという設定にしています。

   現在、この路線は神戸高速鉄道に直通していますが、それまでは兵庫駅に

   独自のターミナルが存在しました。

 

   この世界では、いずれは阪神本線と、何らかの形で直通するものと思います。

   その場合、兵庫を経由するのかしないのか、時期はいつごろか、どういった

   形態で直通するのか(第3セクターか市営地下鉄が間に挟まるのか)と

   いったところを検討する必要がありそうです。

 

 

4) 神戸市営地下鉄各路線

   本世界では、ここが一番原型をとどめない形になると思います。

   そもそも、瀬戸急を地下鉄山手線が走る場所に通らせたため、そのような状態に

   なるのですが…。

 

   では、なぜこのルートで通したかというと、阪神に干渉させないためでした。

   阪神の三宮以西延長による湊川接続は、もともと元町経由で考えられていました。

   そのため、史実でも阪神本線が戦前に元町まで開業しています。

   しかし、元町経由で湊川まで瀬戸急路線が延伸したとすると、阪神本線自体は

   三宮止まりになっていたと考えられます。

   そのため、現実との差異が大きくなるため、先述のルートに通しています。

   つまりは、阪神存続のためのとばっちりを受けたということになります。

 

   では、地下鉄路線の中で、どの区間が現実と差異ができないか考えてみます。

   そうしますと、西神線の板宿以降であると考えられます。

 

   この区間は、神戸沖合の埋立地造成のための土砂採掘現場であり、須磨ニュー

   タウン造成された場所で、そこへの足として開業したものです。

   また、神戸市営地下鉄の中で、開業年が一番早いこともあり、この区間は、

   この世界でも変わらないと考えられます。

 

   また、山手線はその延長線として考えられるため、現状と違うルートでの延伸を

   考えらることになるでしょう。ただし、新神戸~三宮は新幹線アクセスの問題が

   あるため、ここも現実通り残ることになると思います。

 

   あとは三宮~板宿間がどこを通るかということになります。

   また、海岸線の存在もあります。こちらも山手線のルート次第ではルートを変更す

   る必要があると思います。

 

 

 

以上、ざっと記述しました。

今後、この辺をどうするかを考えていきたいと思います。